45歳・独身でもセミリタイアできる貯金額を元銀行員が解説

「もう会社に行きたくない」「あと何年、働き続けるのだろう…」

そんなふうに感じながら日々を過ごしている45歳前後の方は、少なくありません。
特に独身の方にとって、セミリタイアは“逃げ”ではなく“新しい生き方”の選択肢になりつつあります。

とはいえ、現実的な問題として一番気になるのは「貯金はいくら必要なのか?」ということですよね。

この記事では、元銀行員の僕が、実際に見てきたお客様や自身の経験をもとに、
45歳・独身でセミリタイアを実現するための貯金額、そして“お金に縛られず生きるための考え方”をお話しします。

45歳・独身でセミリタイアを考える人が増えている理由

僕が銀行員をしていた頃、45歳といえば「出世競争の真っ只中」でした。
しかし今は、時代が大きく変わりました。

副業、リモートワーク、投資、そしてミニマリズム。
「会社員だけが生き方ではない」という価値観が広まり、働くこと自体を見直す人が急増しています。

特に独身の方は、家族に縛られずに自由に人生を設計できる分、セミリタイアの実現可能性が高いのです。

実際、僕のタクシーに乗るお客様の中にも、「45歳で会社を辞めた」「週3日だけ働いてあとは趣味中心」という人が増えています。
彼らは口をそろえてこう言います。

「お金の不安はあるけど、心は自由になった。」

セミリタイアに必要な貯金額の目安

では、45歳・独身の人がセミリタイアするには、実際にいくら必要なのでしょうか?

まず、生活費から逆算して考えます。

  • 毎月の生活費:15万円(地方・質素な暮らし)〜25万円(都心・ゆとりある暮らし)
  • 年間生活費:180万円〜300万円
  • 年金受給までの期間:20年(65歳まで)

この数字をもとにシミュレーションすると、

180万円 × 20年 = 3,600万円(最低ライン)
300万円 × 20年 = 6,000万円(ゆとりライン)

つまり、貯金が3,000〜6,000万円あれば、45歳独身でもセミリタイアは現実的です。

もちろん、この金額は「まったく働かない」前提での話。
実際には、週2〜3日だけ働いたり、資産運用を組み合わせることで必要金額はぐっと下がります。

副収入があれば、必要額はもっと減る

たとえば、月に5万円の副収入があれば年間60万円。
20年間で1,200万円分の生活費をカバーできる計算です。

貯金が2,000万円しかなくても、副収入を上手く組み合わせれば実現可能。
つまりセミリタイアの鍵は「持っているお金」ではなく、「お金を回す仕組み」にあります。

セミリタイア後の“収入の柱”をどう作るか

元銀行員として、多くの方を見てきて思うのは、セミリタイアの成否は「収入源の数」で決まるということ。

現役時代は給与一本でも生活できますが、リタイア後はそれでは不安が大きすぎます。

以下のように、リスク分散された収入源を複数持つことが理想です。

  • ① 投資(株式・投資信託・ETF・配当)
  • ② 太陽光発電などの固定収入型資産
  • ③ 不動産の家賃収入
  • ④ パート・週3勤務・業務委託
  • ⑤ 趣味を活かした副業(ブログ、販売など)

特に、①と②は「時間を切り売りしない収入」として大きな武器になります。
僕自身も太陽光発電と米国株の配当収入が、安定した生活の支えになっています。

貯金だけでは不十分──リスクも知っておこう

セミリタイアは“自由”を手に入れる手段ですが、同時に“責任”も増します。

最も注意すべきは、以下の3つのリスクです。

  • ① 予期せぬ医療費・介護費
  • ② 投資リスク(暴落・為替変動)
  • ③ 孤独・モチベーション低下

特に45歳からの20年は、親の介護や自分の健康リスクが増える時期。
ここを見落とすと「お金はあるのに心がすり減る」という状態になりかねません。

だからこそ、貯金と同じくらい重要なのが「支出の把握」と「心の準備」です。

月にいくらで生きていけるかを明確にし、必要に応じて働ける環境を残しておくこと。
これが“失敗しないセミリタイア”の鉄則です。

45歳でセミリタイアに成功している人の共通点

僕がこれまで出会ってきた中で、45歳でセミリタイアを成功させた人には明確な共通点がありました。

① 生活コストを知っている

家計簿をつけている、あるいは生活費を定量的に把握している人ほど、迷いが少ないです。
自分の“幸せの最低ライン”を理解している人は強い。

② 「働く=ストレス」ではない

セミリタイアは“完全に働かない”ことではありません。
必要な分だけ働き、好きな時間に休む。それが理想の形です。

この「働くとの距離感」が上手い人は、ストレスを抱えずに長く自由を楽しんでいます。

③ 情報に強い

金融商品・税金・補助金などを理解している人は強い。
お金の知識は「守りの武器」です。
元銀行員として言えるのは、情報を持たない人ほど損をする、という現実です。

セミリタイア後の暮らし方──「ひとり時間」をどう楽しむか

独身でセミリタイアをすると、時間も自由も一気に手に入ります。
ただし、その自由をどう使うかが人生の質を決めます。

セミリタイア後に幸せそうな人たちは、「お金を使う」より「時間を味わう」ことが上手です。

  • ・毎朝ゆっくりコーヒーを淹れる
  • ・自然の中を散歩する
  • ・趣味を仕事にしてみる
  • ・気の合う仲間とだけ関わる

彼らの笑顔を見るたびに思います。
「セミリタイアとは、働かないことではなく、“心を自由にすること”なんだな」と。

まとめ:45歳からのセミリタイアは「貯金」と「設計」で現実になる

45歳・独身でもセミリタイアは決して夢物語ではありません。
むしろ、情報と準備があれば、現実的に到達できるライフスタイルです。

必要な貯金額は3,000万円〜6,000万円。
ただし、副収入や投資を組み合わせれば、2,000万円前後でも可能です。

重要なのは、いくら持っているかではなく、
「自分がどんな暮らしをしたいのか」を明確にすること。

お金は、自由のための手段でしかありません。
そして自由とは、働かないことではなく「働くことを自分で選べる」状態のこと。

もし今、あなたが「もう疲れた」と感じているなら、
それは人生を見直すチャンスかもしれません。

45歳の今からでも遅くありません。
“セミリタイアの設計図”を描くことで、あなたの未来はもっと穏やかに、豊かになります。

自由とは、年齢ではなく、覚悟で決まる。

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